注文住宅の契約書には、建築主(施主)と施工会社(ハウスメーカー・工務店など)の間での取り決めが記載されており、契約後のトラブルを防ぐためにも慎重に確認することが重要です。
以下、契約書のポイントを詳しく解説します。
目次
注文住宅の契約書の基本構成
注文住宅の契約には主に以下の書類が含まれます。
- 請負契約書(工事請負契約書)
- 建築主(施主)と施工会社の間で締結する契約書
- 工事内容、工期、金額などの基本情報が記載される
- 契約約款(工事請負契約約款)
- 契約の詳細な条件や取り決めを記した文書
- 追加工事や支払い、契約解除の条件などを記載
- 設計図書
- 住宅の間取りや構造、仕様を詳細に記載した設計図
- 施工内容の詳細が分かるため、必ず確認が必要
- 見積書
- 工事費用の内訳が記載された書類
- 後で費用トラブルにならないよう、項目をよくチェック
- 仕様書(仕上表)
- 建材や設備の仕様が記載された書類
- どの材料やメーカーの設備を使うのか明確にする
契約時に確認すべきポイント
契約を締結する際は、以下のポイントを必ずチェックしましょう。
契約内容と工事範囲の明確化
- 請負契約書の工事内容と設計図が一致しているか
- 建物の構造、広さ、設備が契約内容と合致しているか
- 建物本体工事以外の費用(付帯工事・外構工事など)が含まれているか
- 第三者機関(住宅瑕疵担保責任保険など)の保証があるか
ポイント: 工事内容に含まれないものは何かを確認することが重要。外構や照明、エアコンなどが別途費用になるケースも多い。
工期と引き渡し日の確認
- 着工日と引き渡し日が明記されているか
- 工期が延長する場合の条件が明確になっているか
- 天候や災害などの影響による工期の変更規定があるか
ポイント: 「〇月〇日までに引き渡し」と明確に記載されているか確認。工期が遅れた場合の補償(遅延損害金)があるかも重要。
費用の明細と支払い条件
- 契約金額(工事費用総額)が明記されているか
- 見積書の内訳が細かく記載されているか
- 追加工事の費用とその決定方法が明記されているか
- 支払いスケジュール(頭金・中間金・完成時支払いなど)が妥当か
- ローン特約があるか(住宅ローンが組めなかった場合の対応)
ポイント: 追加費用が発生する場合の条件を確認し、後で「こんなに費用が増えるとは思わなかった」とならないように注意。
変更・追加工事の扱い
- 契約後の設計変更が可能か
- 追加工事が発生する場合の費用計算の仕組み
- 変更にかかる手数料が明記されているか
ポイント: 「無料で変更可能」と言われても、後で追加費用が発生することもあるため、明確なルールを確認。
住宅瑕疵担保責任と保証
- 施工会社が住宅瑕疵担保責任保険に加入しているか
- 構造上重要な部分の保証期間は10年以上か
- 仕上げや設備の保証期間が記載されているか
ポイント: 住宅瑕疵担保責任保険(10年保証)は法律で義務付けられているが、設備や仕上げ部分の保証は施工会社によるため、保証内容を細かくチェック。
クーリングオフ・契約解除の条件
- 契約解除の条件と違約金が明記されているか
- 住宅ローンが通らなかった場合の契約解除が可能か
- クーリングオフ(契約後8日以内に無条件解除可能な制度)が適用されるか
ポイント: 「やっぱり契約をやめたい」と思ったときの対応を確認。特にクーリングオフが適用されるかが重要。
トラブル回避のためにできること
- 契約前に不明点を必ず質問する
- 疑問がある部分は口約束で済ませず、書面に残してもらう
- 曖昧な説明には「具体的にどのような対応になるか」質問する
- 工事途中で定期的に進捗を確認する
- 契約書通りの施工が行われているかチェック
- 定期的に写真を撮っておくと、後で問題が発生した際に証拠になる
- 契約書の内容を第三者(専門家)に確認してもらう
- 工務店やハウスメーカー以外の専門家(住宅診断士・弁護士など)に契約書をチェックしてもらうのも有効
まとめ
注文住宅の契約書は、工事内容や費用、保証、工期などを明確に記した重要な書類です。
トラブルを防ぐためには、契約前に以下の点を必ずチェックしましょう。
- 工事範囲が明確になっているか
- 工期と引き渡し日の確認がされているか
- 追加工事や費用発生の条件が明確か
- 支払いスケジュールが妥当か
- 保証内容と契約解除の条件を確認しているか
契約書をしっかり確認し、納得できる形で契約を進めることが、理想の住まいづくりにつながります。
以上、注文住宅の契約書のポイントについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。