工事店と工務店は、日本の建築および建設業界で異なる役割と機能を持つ2つの業態です。
それぞれの違いについて詳しく説明します。
目次
工事店(こうじてん)
定義と役割
工事店は、特定の建築作業や工事を専門的に行う業者を指します。
例えば、以下のような専門工事業者があります。
- 電気工事店: 建物の電気配線や照明設備の設置を行う
- 設備工事店: エアコンや給排水設備の設置・修理を行う
- 内装工事店: 壁紙の張替えや床材の設置、ペイントなどの内装作業を行う
特徴
- 専門性: 特定の分野に特化しているため、高い専門知識と技術力を持つ。
- 契約形態: 主に工務店やゼネコン(総合建設業者)からの下請けとして仕事を受注することが多い。
- 規模: 小規模から中規模の企業が多く、個人事業主として活動していることもある。
工務店(こうむてん)

定義と役割
工務店は、住宅や小規模建築物の設計、施工、監理を総合的に行う業者を指します。
工事店と異なり、工務店は一つのプロジェクト全体を管理する役割を持ちます。
- 住宅工務店: 新築住宅やリフォームの設計・施工を行う
- 商業工務店: 小規模な商業施設の建設や改修を行う
特徴
- 総合管理: プロジェクト全体の計画、設計、施工管理を行うため、広範な知識と管理能力が必要。
- 契約形態: 施主(顧客)と直接契約を結び、プロジェクトの全体管理を行う。
- 規模: 中規模から大規模の企業が多く、複数の工事店と協力してプロジェクトを進める。
具体例と比較
- プロジェクト開始から完成までの流れ
- 工務店: 施主からの依頼を受け、設計士と協力してプランを作成。その後、工事店と契約し、施工管理を行う。
- 工事店: 工務店やゼネコンからの依頼を受け、特定の工事を実施。例えば、工務店が設計・管理する住宅建設プロジェクトで電気工事を担当。
- 責任範囲
- 工務店: プロジェクト全体の品質管理、予算管理、スケジュール管理を行い、最終的な責任を負う。
- 工事店: 専門分野の工事の品質と期限を守る責任を負う。
まとめ
工事店と工務店は、日本の建設業界において異なる役割を担っています。
工事店は特定の工事分野に特化した専門業者であり、工務店はプロジェクト全体を管理する総合的な建設業者です。
この違いを理解することで、適切な業者選びが可能となり、プロジェクトの成功につながります。
以上、工事店と工務店の違いについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。